グランゼコールの適切な認識


by grandesecoles
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グランゼコール・Grandes Ecoles
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フランス共和国が誇る国家エリート養成学校群である"グランゼコール"について、適切でない表現をされているウェブが見受けられる。

確かにフランス独特のエリート教育制度である為に理解する事は難しい面はある。この訳し方も高等専門学校と呼んだり、大学校や大学院大学と表現したりバラバラであり、これがまた誤解を生んでいることは否定できないでしょう。同志社大学の小林教授の「欧米大学レポート」によれば高等大学と呼ぶに相応しいようである。

簡単に説明すれば、18世紀はパリを中心とした国家建設の技術的インフラを確立する必要性があり、其の指導者を養成する必要があったが、当時の大学(Universite)は堕落し、そのような国家指導者を輩出する機関ではなかった。そこでルイ15世の勅令により1747年に最初のグランゼコールである国立土木学校(ポンゼショセ:米国MITの創立時に貢献)が創立され、その後、1783に鉱山学校(エコール・ド・ミン)、1794年革命中にポリテクニック、エコール・ノルマルが創設された。
したがって当初は国家建設を考えればテクノクラート養成の国家エリート養成学校として創設された事が最初であり、商業学校の台頭は其の100年以上後である。歴史的に長くエンジニアーの地位が高く商業系は低かった。そして、戦後にENA(国立行政学院)が創設され理系に後塵を拝してきた文系が台頭しENAが超エリート学校となっている。

今はMBAの影響で商業学校の地位も上がったが、今でも上位200社のトップの70-80%以上はENAと理系数校(ポリテク、ポンゼショセ、ミン)で占められている。通称、グランゼコールは200校程あると言われるが、実際のエリート校はトップ数校であると言われている。ENAをトップとし、理系のトップグループ、文系のトップグループ、商業系のトップグループとなり、歴史的権威のある順になれば、これが縦になると言える。その他は高等専門学校に近い。当然に大学とは隔離された特権的エリート層である。実際に就職の場合、大企業の就職窓口は大学とグランゼコールとは別にあり、待遇が違う。殆どの人が間違うのはフランスのエリート校はソルボンヌと思っている点であるが、全く論外である。この点がフランスのエリートのマーケティング力の弱さかな?注意が必要なのはグランゼコールと、其の中にあるMBAプログラムとは違うので、ごっちゃになっている説明がある。

よく誤解されるのは大学が世界的にエリート学校と思われている点で、フランスのグランゼコールは大学とは独立した別格のまさにエリート養成学校群である。大学はアカデミックスクールであり、グランゼコールは各分野別の実学教育を行うエリートだけのエリート学校群である。彼らはシタッパを経験しないで即トップ層の候補として企業に入る。初任給も出世も学校別で違う、決まってしまう。

フランスにおける其の価値はMBAどころではないが、日本の高等専門職業人養成という点で言えば日本は米国から100年遅れ(MBA発祥)、フランスから250年遅れている。世界に敵う訳がない。

最近の台頭を簡単に述べれば、1)歴史的に伝統のあるグランゼコール、2)MBA取得者、3)IT社会に代表される新規業界のリーダーに分かれるであろう。
また、各学校は日本の文部科学省のようなところで一括管理されているわけではなく下記のような部門が管理している。

(国際交流基金http://www.jpf.go.jp/j/urawa/world/kunibetsu/2004/france.html)
フランスの【教育行政】
 初等、中等、高等教育機関のほとんどが教育省の管轄下にあり、例外は下記のとおり。
 国立行政学院(内閣)、国立高等鉱山学校(産業省)、国立土木工学校(公共事業省)、国立美術学校(文化省)、国立国庫・租税・関税学校(大蔵省)、理工科学学校(国防省)、国立高等電気通信学校(郵政省)、司法官学校(法務省)
主なグランゼコール
•E.N.A. (École nationale d'administration )
•シアンスポ (Institut d'études politique de Paris)
•理工科学校 (École polytechnique)
•高等師範学校 (École normale supérieure)
•H.E.C. (École des hautes études commerciales)
•パリ国立高等鉱業学校 (École nationale supérieure des Mines de Paris)
•ポンゼショセ・国立土木学校 (École nationale des ponts et chaussées)

●最も公式に近い情報はConference des Grandes Ecolesのサイトにある。http://www.cge.asso.fr/cadre_pres_en.html これを見れば、インターネットウエブサイトに散見される情報の一部が不適切であることが分かる。
Grandes Ecoles
Higher education system in France comprises universities and other institutions called the « Grandes Ecoles ». Part of the system are also the « classes préparatoires », which are specific undergraduate programmes preparing for the Grandes Ecoles.
Their OriginWhereas in the Middle-Ages the University was essentially in charge of higher education, during the Renaissance the royal power felt the need to create more specialised institutions outside the university system. This trend became particularly strong in the 18th century, when new techniques appeared and corps of first military then civil engineers were created.
Thus the Ecole des Ponts et Chaussées was born in 1747, the Ecole du Génie Militaire in 1748 and the Ecole des Mines in 1783. The Revolution founded the Conservatoire National des Arts et Métiers and the Ecole Polytechnique in 1794. Other « Grandes Ecoles » providing a more and more diversified engineering training were to be founded throughout the 19th century both in Paris and in the province.
The first Grandes Ecoles of management appeared at the end of the 19th and the beginning of the 20th century.
Nowadays over 60 % of the managing directors and the chief executives in France's 100 largest firms are graduates of the "Grandes Ecoles"(GE). Broad courses of study enable them to assume top positions and offer them different career possibilities.

下記はサイト上で書かれている部分的に不適切な説明である。
●http://www.pe.u-tokyo.ac.jp/pe_tour94/ecp.html
エコール セントラル パリ (ECP)- パリ中央工科大学は、フランス産業界で活躍する技術者を養成するため、1829年に創立された。卒業生には、エッフェル(建築家)、ブレリオ(航空学)、古市公威(東京大学初代工学部長)、ミシュラン、プジョーなどなど著名な技術者が多い。ECPはまた、フランスで初めて創立されたグランゼコール(GRANDES ECOLES)でもある。(適切は1747年創立のポンゼショセ校である)

●ESSEC Buisness school http://www.essec-japan.com/coment.htm
1907年設立のESSEC大学(エセック経済商科大学院大学)は100年近い歴史を誇り、フランスを代表する屈指のグランド・エコール(大学院大学)である。(適切にはグランゼコールは大学院大学ではない)

●欧州のMBA(アルク) http://www.alc.co.jp/sabrd/gs/mba-europe/sc03.html
経営学を専門に教えるフランス屈指のグランゼコール(大学院)であり(適切にはグランゼコールは大学院大学ではない)

●もんパリ日記http://blog.kansai.com/mont+day+20041008
フランスの大学はすべて国立ですが、グランゼコールは私立になります。このESCPはパリの商工会議所によって設立されています。(そのため、将来のビジネスネットワーク作りを意図して、海外との大学の提携にも積極的のようです。)正解は私立も国立もあります。名門は国立です。

●19991022b http://www2s.biglobe.ne.jp/~kenjo/Paris/991022b.html
日本の教育制度の比較でいうと、色々な文献によると、開校時の横浜国立大学や一橋大学が比較的「商業系グランゼコール」のイメージに近いようだ。
ちなみにグランゼコール制度を最初に考え、実際に学校を創設したのはあの偉大なるナポレオン1世である。(正解はナポレオンではないルイ15世)


参考リンク
●パリ駐在員報告(JETRO)
http://it.jeita.or.jp/document/publica/it-report/it01-03/it0103cn19.pdf
技術系エリート校(ポリテク、ミン、ポンゼショセ)

●台頭する新たな産業エリート
http://www.parisclub.gr.jp/SitemapJ/Archives/setou5/setou5.htm

●階級社会への道
http://members.aol.com/nishitatsu1234/2/classsociety.htm
簡単にフランスの学校制度を書いている

●「欧米大学レポート」ハーバード大学とパリ大学 小林良彰 三一新書

●http://www.bunkyo.ac.jp/faculty/lib/klib/french/collection/56/comt56.htm

●鉱業学校(ミン)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%AA%E5%9B%BD%E7%AB%8B%E9%AB%98%E7%AD%89%E9%89%B1%E6%A5%AD%E5%AD%A6%E6%A0%A1
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by grandesecoles | 2005-09-15 21:18 | 教育